「競売開始決定通知」が届いてしまったら
「競売開始決定通知」が届いてからでも任意売却は可能ですが、すでに裁判所で手続きは進んでいるため、時間的な余裕はほとんどありません。
ここでは、競売手続きの流れと任意売却が可能な時期について説明します。
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裁判所から「担保不動産競売開始決定通知」が届きます。
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執行官が不動産鑑定士を伴って自宅に訪問し、最低入札価格を決めるため物件内部の調査や写真撮影などの現況調査をおこないます。
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物件の調査後、物件明細書、評価書、現況調査報告書という、競売に必要な3種類の書類が作成されます。
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「競売」物件としてインターネットや新聞で公表されます。氏名や所在地とともに、現地写真まで公表されてしまうため、落札希望者が見に来ることもあります。ただし、自宅の中まで見せる必要はありません。
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期間入札が開始。入札期間は1週間です。
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任意売却が可能なのは
「競売の開札」まで「競売開始決定通知」が届いてから競売が開札するまでの期間は、およそ6ヶ月。競売が開札してしまうと任意売却ができなくなるため、この時期までに任意売却の最終取引を終わらせなくてはなりません。そのためにも早期のご相談が必要なのです。
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競売が「開札」の段階に入ります。開札とは、入札の箱を開けて中の札を開いて確認すること。その結果、最も高い価格を付けた人が最高価買受申出人となり、不動産を買い受ける権利を取得します。
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開札日から約1週間後の「売却決定期日」に、裁判所から最高価買受申請人に対して、売却を許可するかどうかの決定が出ます。
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売却を許可する決定が出ると、裁判所から代金の納付期限が通知されるため、その期限内に代金を納付します。
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競売の落札者と引渡しについての交渉がおこなわれ、物件の引渡しをします。
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落札された物件の居住者が、交渉に応じなかったり、引渡しを拒んだりした場合、競売の落札者は、引渡命令という裁判の申し立てをおこない、強制的に立ち退かせることができます。
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競売開始から7ヶ月前後が、自宅から退去しなければならない時期の目安となります
以上が競売の流れとなります。そのため、競売開始決定通知が届いた段階であれば、任意売却で競売を回避できる可能性があります。
ただし、任意売却は、競売が開札されるまでに完了させるというリミットがあります。その中で相談、債権者への交渉、不動産の売却まで進めるため、時間的な余裕はほとんどありません。
任意売却では債権者の同意がなければ手続きを進めることができず、債務状況や債権者によっては同意を得るために、時間を要する場合もあります。
いずれにしても時間との勝負になるため、迅速に手続きを開始することが重要なのです。先々のローン返済が少しでも難しいと感じたら、早めの相談をお勧めします。
競売の開始後、不動産業者の訪問や勧誘の手紙が届いていませんか?
裁判所から「配当要求終期の公告」が告知されると、その情報を入手した不動産業者から手紙や自宅への訪問で任意売却をすすめてきます。
このような業者の中には、以下のような手口で弱みにつけこむ悪徳業者がいる可能性もあるので注意が必要です。
- ・当社なら「必ず」任意売却できますと、明確な理由も提示せずにすすめてくる
- ・売れもしない売却金額を見せて勧誘する
- ・本来、任意売却には不要な「契約金」の納入を迫ってくる
「配当要求終期の公告」ってなに?
わかりやすくいうと、裁判所が差押さえの登記が完了した事実を公にし、「競売を申し立てた債権者以外に、その債権者に対して債権を持っている方は申し出て下さい」という申告を促す制度です。誰でも閲覧することができるので、上記のような悪質な不動産業者の目に止まり、本来の意図とは違う使われ方がされてしまうこともあるのです。
競売情報はどこで公開されるの?
競売情報は裁判所や新聞、不動産競売情報サイト、裁判所HPなどで、誰でも情報を見ることができてしまいます。
競売が開始されると、裁判所の関係者や、入札を検討している人、不動産業者、勧誘目的の業者まで、多くの人が自宅を訪問するようになります。
この段階になってしまうと、近隣の方に事情を隠すことも難しくなるでしょう。
競売、任意売却、いずれの方法であっても、住宅ローンの債務は残りますが、任意売却には競売にはないメリットが数多くあります。
競売までの時間が限られていても、任意売却ができる可能性があります。諦める前にぜひ一度、当社へご相談下さい。